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自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?やりがいと苦労を紹介!

自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?やりがいと苦労も紹介!
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僕は現在、自動車修理業の鈑金塗装部門で職人として働いています。

もともと車が大好きでこの世界に飛び込み、気付けばキャリアはかれこれ16年ほどになります。

その間にたくさんの楽しい事や辛い事、他にも様々なことを経験してきました。

今回はその経験の中から、今まで僕がこの鈑金塗装業という仕事で経験してきたやりがいと、反対に苦労も詳しくお話ししていきます。

包み隠さずお話しするので、興味がある方はぜひ最後までお読みください。

それでは、「自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?やりがいと苦労も紹介!」いってみましょう!

 

自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?

自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?仕事のやりがいと苦労を紹介!

まず最初にお話しするのは、自動車鈑金塗装の職人は、車が好きだけではダメなの?

ということです。

常に車を修理し続ける仕事ですから、当然車のことが好きでないと仕事には向きません。

ですが、仕事にせずに趣味で抑えておいた方が良かった・・・。

なんて話はどこにでもあるものですよね。

ここからは、なぜ車が好きなだけでは務まらないのかをご紹介します。

 

甘えが許されない自動車鈑金の世界

自動車というのは、徹底的に1ミリ単位まで緻密に計算されて製造されています。

それが狂うとどうなるのか?

簡単に言うと、走行中にハンドルから手を離したら左右どちらかに曲がっていってしまいます。

自動車は4輪あるので、4輪ともキッチリ数値が出ていないとその状態になりかねないのです。

自動車鈑金の仕事では、事故によって数値が狂った状態で入ってきます。

それをどこまで数値に近づけられるか?

ではなく、数値がミリ単位でピッタリになるまで徹底的に修理しなければなりません。

「あと2ミリだけ狂ってるけど、2ミリくらいいいよね?」

こんな甘えがあると、この仕事はできないんです。

 

性格が雑でも丁寧な仕事が要求される

この業界は、性格が雑な人はたくさんいます。

性格が雑だと仕事にどんな支障がでるんでしょうか?

塗装をするときに、マスキング(養生)と言って塗料を吹き付ける際に不要なところに色が飛ばないようにする作業があります。

これを1つずつ丁寧に貼っていかないと、後から不要なところについた色を落とすという余分な仕事が増えます。

この作業、かなり時間がかかるので、成果にならないムダな時間を作ることになります。

性格が雑でもここが丁寧にできないと、いつまでたっても仕事が速くならないんです。

僕自身も性格は雑な方なので、ここはかなり苦労しました。

塗料は霧状になって小さい隙間から入り込んでいくので、どこまで侵入を防げるのかがカギになります。

最初のうちは絶対にうまくいかないので、どうやったらうまくいくのか?

これを毎回考えて工夫していく必要があります。

 

車が好きだったけど続かなかった人は多数

16年も仕事をしていると、いろんな人がこの世界に飛び込んでくるのを見ます。

多くは若い人が多いわけですが、なぜこの仕事に?

と聞くと、やはりほとんどが「車が好きで!」ほとんどの人が目を輝かせてこう言ってくれます。

ですが数カ月仕事をしてみると、上記で説明したようなことに躓いて、悩んで辞めていきます。

そこでほとんどの人が言うのが、「こんなに細かい事しなきゃいけないの?もう無理!」

この言葉が出てきます。

僕の中でもこの業界は、魔法のように簡単に直せるようなイメージがありました。

ですが、実際は面倒なことの連続で成り立っています。

 

自動車鈑金塗装職人のやりがいと苦労は?

自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?仕事のやりがいと苦労を紹介!

それではここからは、ただ辛いだけのように見えるこの仕事に、どんなやりがいがあるのか?

また、どんな苦労があるのか?

それをご紹介していきます。

 

やりがい:やればやるほど感覚が研ぎ澄まされる!

凹みや傷の修理を毎日修理します。

パテという固まる薬を使ってサンドペーパーを使って削って平らにしていく作業です。

この作業は、手で撫でて凹みが完全に埋まったのかどうかを確認しながら行います。

少しでも凹んだままだと、塗装後に光沢が出た時にすごーく良く目立ってしまいます。

だから撫でて撫でて確認してを日々繰り返していくうちに、へこみが手に取るようにわかるようになってきます。

よく来店してくれるお客さんは「神の手」と呼んでくれますが、手の感覚はとんでもなく研ぎ澄まされます。

こうなってくると、綺麗に修理ができるようになってきて、楽しいと思えるようになり、やりがいが生まれます。

 

やりがい:納車時のお客さんの喜ぶ顔がたまらなく嬉しい!

大事な愛車が凹んだり傷がついたりして、お客さんは落ち込んでいる状態でご来店されます。

そんなお客さんがきれいに修理されて、自分の愛車と対面して笑顔になる瞬間。

これは修理中の苦労が全部吹き飛ぶほど嬉しいです!

このために仕事しているといっても過言ではありません。

だから僕は入庫時と納車時は、お客さんとお話しするようにしています。

自分のモチベーションを維持するためと、お客さんの感動を味わうこと。

これはどの仕事でもいえると思いますが、とても重要なことです。

 

苦労:色合わせが超重要!

車にはそれぞれ鮮やかな色があります。

これを様々な色を混ぜ合わせて作っていく必要があります。

ここが違うと、車自体はきれいに直っても色が違ったら元も子もありません。

新車時の色のデータはありますが、車の保管状況で色褪せが起きて、車ごとに色が微妙に違うんです。

これを一滴単位で調色していきます。

ここのセンスが無いと、1日中やってても色は全く合いません。

さらに、自動車のカラーには正面から見た色味と斜めから見たスカシと言われる色味が存在します。

この両方をきちんと合わせられるかがカギとなります!

根気と色の混ぜ合わせのセンスが非常に問われます。

 

苦労:一度の失敗を取り戻すのに時間がかかる

自動車の塗料は耐久性を持たせるために、硬化剤を入れて塗ります。

熱に反応して固まりますが、これがしっかり固まるまでに数時間が必要です。

ということは、塗装で失敗したらしっかり固まるまで待たないとやり直しができないということになります。

完全に固まってから再びマスキングから始まるので、つまり損失時間は約2時間~3時間ということになります。

だったら失敗しなければいい。

コレが出来たら最高なんですが、そうなれるまでに相当練習しなければなりません。

最初の頃は仕事が終わってから練習の日々が続きました。

精神的にかなりツライ期間でしたが、今では失敗もほとんどなくなりました。

ここまで来れると、苦労は逆にやりがいに変換されます!

 

まとめ

自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?仕事のやりがいと苦労を紹介!

現在やっている仕事について、自動車鈑金塗装職人は車好きだけでは務まらない?やりがいと苦労も紹介!という内容でご紹介してきました。

この業界は、自分が思っている以上に手間で面倒なことが多いです。

車が好きなだけでもなかなか務まらないです。

それでも、苦労もあれどやりがいもあったりするわけで、それに伴って修理のレベルを上げていけると一番いいのかなと思います。

ここまで読んで、それでもやってみたいと思えるならば、すごくこの仕事に向いているかもしれません。

最初の頃はかなりの練習が必要ですが、「神の手」や自然と体に染みついてくるい感覚が、いい仕事をさせてくれます。

ここまでくると、とてもいい仕事が出来るようになってきて、業界の全国大会があるのですが、それにも出られるようになるかもしれません。

辛いのは最初だけです!

ここを乗り切って、一流の自動車鈑金塗装職人を目指しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!